
今シーズンは、五条店と御池別邸、それぞれの床の間に利休草を飾りました。
細く伸びる蔓に、小さな葉が連なる姿は、どこか軽やかで、見ているだけで心が和みます。
花入れに入れると、蔓の自然な曲線が床の間にやさしい雰囲気を添えてくれます。
裏千家の茶の湯では、床の間に季節の草花を飾り、その時々の自然の美しさを楽しみます。
茶花は、華やかに飾り立てるものではなく、花や草木が本来持っている姿を生かすもの。
野に咲く一輪の花にも心を留める、そんな茶の湯ならではの美意識があります。
千利休が大切にした「わび茶」の精神にも、こうした自然の美しさを尊ぶ心が息づいています。
飾りすぎず、ありのままの姿を楽しむ。
何気ない草花の中に、ふと美しさを見つけることも、茶の湯ならではの楽しみです。
ほかの花にそっと寄り添いながら、茶室に奥行きと風情を添える利休草。
床の間に広がる小さな緑の景色から、季節の移ろいや、
茶室で過ごすひとときの心地よさを感じていただけたら嬉しく思います。





